“couch potato” というのは、長時間ソファーでゴロゴロしながらジャンクフードやお酒を飲み食いしつつ、テレビや映画などを見ているような人を指して言います。
怠け者や肥満・生活習慣病など不健康な状況を表す代名詞とも言える言葉ですが、一方で、良く言うと「ゆっくり過ごす、リラックスして過ごす」という意味合いでも使われます(「今週末の連休どこか出掛けるの?」と聞かれて「いや、家で映画でも見ながらゆっくり過ごすよ」という返しで使うようなイメージです。物は言いようで、悪く言うと、ぐうたらとか、だらだらとか、ゴロゴロとかになりますが、、、)。
語源
“couch potato” は、1976年にアメリカのTom Iacinoと言う人が作った造語です。
文字通り、「couch(ソファー)」と「potato(ジャガイモ)」という2つの単語を組み合わせて作られた言葉です。
“potato”は「ポテトチップ」や「ジャガイモのように動かない」「ジャガイモのように太った」というところから来ているという記事も良く見掛けますが、Wikiや英語サイトなども見てみると、「boob tuber(テレビを見る人)」と「tuber(ジャガイモ)」の語呂合わせ・だじゃれから来ているようです。
以下、詳細です。
- まず、”tube”というのは「テレビ」のことです。
日本でtubeというと、ゴムなどの管・チューブや、絵の具や歯磨きなどのチューブが思い浮かびますが、トンネルや真空管、ブラウン管などもtubeと言います。tubeには色々な意味がありますが、これらは全て、管状・筒状のものです。tube = 筒状のもの、というイメージで覚えて下さい。
少し脱線しましたが、昔は、テレビ=ブラウン管テレビでした(最近の若い方はブラウン管と言ってもちょっと分からないかもですが、、、)。なので、そこに由来してtube=テレビになったのだと思います。
なお、テレビのことをtubeというのは、近年ではあまり使われていない表現(古い表現)かと思いますが、You Tube の”Tube”も、このテレビという意味のtubeから来ています。 - 次に、”boob tube”ですが、これも「テレビ」を指します。
が、boobというのは「ばか」とか「間抜け」という意味で、”boob tube”と言うと、テレビはばかなヤツが見るものだ、というテレビ番組の中身の無さを揶揄する意味合いを含んでいます。 - で、上記に人を表す接尾辞「-er」を付けたものが “boob tuber” です(=テレビを見る人)。
- ここで話は変わりますが、”tuber” には同音異義語があり、そちらは「ジャガイモ」を指します。(正確には、ジャガイモだけでなく、塊茎全般=イモ類全般を指します)。
- 上記「boob tuber(テレビを見る人)」と「tuber(ジャガイモ)」の語呂合わせ・だじゃれから、カウチ(ソファー)に座ってテレビの前から動かない人達をジャガイモに例える事を Tom Iacino が思い付き、この”couch potato”という言葉が生まれました。
例文
- It’s easy to turn into a couch potato during the cold winter months.
(寒い冬は、ついつい家にこもってゴロゴロしちゃうんだよねぇ。) - She is becoming really fat because she is a couch potato.
(彼女は家でゴロゴロしてばっかりいるから、すごい太って来てるんだよね。) - I’m going to be a couch potato this weekend.
(今週末は家で映画・テレビでも見ながらゆっくり過ごす予定です)
派生表現
- mouse potato
couch potato のパソコンバージョンで、「PCの前で長時間過ごす人」のこと。 - desk potato
実は、この表現は知らなかったのですが、”mouse potato” と近しい意味とのこと。”desk potato” は「一日中、机に座ってはいるけど、(Webサーフィンやチャット、PCゲーム等をずっとやっていて)何もやってない人」だそうです。
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