意味
“through thick and thin” で「良い時も悪い時も」「どんなことがあっても」という意味です。
また、”go through thick and thin” で「どんなことがあろうともやり遂げる・切り抜ける」となります。
語源
話は14世紀のイギリスに遡ります。当時、イギリスの大部分は森で覆われていました。狩りで暗い森を進んで行くとき、一面に木々が生い茂っていて進むのが大変な場所がある一方、木々がまばらで進みやすい場所もあったことに由来しています。
「進むのが大変な場所(thick wood)」と「進むのが簡単な場所(thin wood)」を「通って行く(through)」という意味が発展し、「大変な時もそうでない時も」「良い時も悪い時も」という意味で使われるようになりました。日本語に訳すと、同じような表現で以下のような言い方もできます。
- 苦楽を共にして
- 困難な時もそうでない時も
- 順境・逆境の時を通じて
- どんなことがあっても
なお、先述した14世紀のイギリスでは、元々 “through thicket and thin wood” が使われており、その表現が元となって “through thick and thin” となったそうです(”thicket” は「やぶ」や「茂み」「雑木林」など木々が生い茂っている場所を指します。)
thick ⇔ thin と言うと、「厚い ⇔ 薄い」や「太い ⇔ 細い」という意味がメジャーですが、他にも
- 液体の濃度(「濃い ⇔ 薄い」)
- 気体の密度(「濃密な ⇔ 希薄な」)※ 例: 霧や煙など
- 物や人などの密度(「密集している ⇔ 散在している」)
など、色々な密度を表す際に使われます。
今回のように、木々が生い茂っている場合は”thick”で、その反対が”thin”になります。
例文
- She has been with me through thick and thin.
(彼女は、私が辛い時もそうでない時も、ずっと一緒に居てくれた。) - I will stand by you through thick and thin.
(何があろうと、君のそばにいるから。) - We will be able to go through thick and thin if we are stick together.
(みんなで協力すれば、どんなことがあっても乗り越えられるよ。)
類似表現
以下は、結婚式などで良く使われるフレーズですね。
例えば、”I promise to be true to you in good times and in bad, in sickness and in health.”とか。
- in good times and in bad (良い時も悪い時も)
- in sickness and in health (病める時も健やかなる時も)
- for better or for worse (良い時も悪い時も)
- for richer for poorer (富める時も貧しい時も)
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